コミュニケーション

~コミュニケーションが上手くいかず、通じ合えない人へ~ メディア力を高める考え方

コミュニケーションに課題意識を持っている人、話がうまく伝わらない人に読んで欲しい

コミュニケーションは日々の生活や仕事においてとても重要な要素です。ですが、それを正しく学ぶ機会というのは意外となく、周囲の人との実地の関わりの中で各個人がつかみ取っていく性質が高いです。

それがゆえに得意な人と不得意な人の差は激しく、それが人々の幸福差も生み出してしまっています。

私もコミュニケーションが苦手でした。今も苦手ですが、仕事の中で必要に駆られて学んでいくうちにどんどん楽になりました。

この記事では、私がコミュニケーションを考える上でものすごく参考になった「あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)」から考え方と能力の伸ばし方について紹介します。

コミュニケーションの土台となる、想いが通じる5つの基礎をまず知ろう。

コミュニケーションを考えていくとなった時、あまりにも漠然とした概念の為に困ることでしょう。簡単なようで正しく捉えようとすると難しい概念です。

考え方として、コミュニケーションの目的を考えてみます。コミュニケーションの目的は、伝える相手に情報が伝わることです。つまりは想いが通じる状態になることを目指しています。

では、想いが通じるためにはどういう要素が必要なのでしょうか?それが、以下の5つになります。

自分のメディア力をあげる

1つめが自分のメディア力を高めることです。

メディア力を端的に言うと、その人が放っている世界巻で、他人から見える雰囲気が該当します。

注意しないといけないのは、自分がこう見られているだろうというものと他人が見えている自分像は意外と大きく違うということです。メディア力が高い人はその差分に対して自覚的で、客観的に見える自分を把握し伝えるメッセージを調整したりしています。

多様な面で創り出されるため、簡単にこういう見え方だよねというのは分からないなりでも、客観的に自分を見ようとすることが自分のメディア力を高めてくれます。

相手にとっての意味を考える

次に大事なのは、伝える相手の事を考えることです。その観点の中でも相手にとっての意味を考えることが大事です。

相手は別に私の伝える情報を欲しているとは限りません。想いが通じようが通じまいが実際関係ありません。伝わらないと困るのは自分自身だけです。

なので、想いを伝える側は自分が伝えることをどのように受け取るのか?を考える事が大切です。メリットが大きいことならば相手にとっては意味が大きく伝わりやすくなります。

コミュニケーションは、相手ありきです。相手の視点に立つために意味を考えてみましょう。

自分が一番言いたいことをはっきりさせる

意外とこの要素が書けていることが多いです。私もそうでしたし、時々そうなってしまいます。

コミュニケーションは人に想いを伝えること。であれば、想いは何なのかを明らかにすることがとても重要になります。主張や方向性と言ってもいいでしょう。

情報を提供するにしても、ばくっとした情報では伝わりません。客観性ある情報をそのまま伝えようとして受け取れないのと同じことです。それは、どういう視点で情報を見れば良いのかが分からないことで、頭に入ってこないからです。

自分が一番言いたいことをはっきりさせる重要性は、自分が伝える情報に対して一つの方向性を与えることで、伝わりやすくすることです。形を与えるといっても良いでしょう。

どんなスタンスの言葉なのか?があることで情報が伝わるのです。

意見の理由を説明する

一番言いたいことを整理することは、情報の方向性を定めて伝わりやすくする上でとても重要な要素です。ですが、それだけでは受け手には伝わりません。なぜなら、背景・理由がないと主張がどれだけ妥当性があり、判断に値する情報かが分からないからです。

主張の理由、背景を説明することはコミュニケーション上、基本的な土台となっておりとても重要な要素です。ロジカルな伝わり方をするためには必須の要素です。

自分の根っこの想いにうそをつかない

最後。この要素は「あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)」から学んでなるほどなとなりました。ここまでの情報であっても、人によっては伝わるでしょう。

相手が伝えられることで意味を感じる情報を整理し、背景・理由も整理することで論理的な主張になっているはずです。ですが、これだけでは本当の意味で伝わりません。

重要なのが、自分の根っこの想いにうそをつかないことです。主張していても、自分の本心とそぐわない言葉は想像以上に人に伝わります。嘘をついているなと感じ取られると、その情報を真摯に受け止めてもらえなくなります。

それによって想いが伝わらなくなってしまうのです。根っこから信じれることにフォーカスすること。語れていないならばなぜうそをついてしまうのかを負荷ぼること。そういう積み重ねが重要です。

想いは伝えなきゃ、伝わらない。コミュニケーションにおける伝わる状態を考えてみる。

人は大小あれどメディア力を持っています。これがコミュニケーションを深く理解していなくても実現可能な理由で、やっかいな点です。

想いとは伝える必要があります。伝えないと伝わないのです。

やりとりをするとき、人は人は空白という状態(不明瞭)に耐えられないから、憶測で埋めようとすします。

個人個人の憶測であればそこまで大きな問題ではありません。それが、「ああではないか」「こうではないか」と言っているうちに、それが何人かになると、もう本当のようにささやかれると自分が認識している伝わり方と変わり、伝わらなくなってしまいます。

「黙っていい仕事をしていれば、わかってもらえる」

こ考え方は危険です。

メディア力のところで書いたように、個々人の伝わり方は人によって違います。

ほとんどの人が忙しく、様々な仕事をしています。自分で精一杯で他の人の現実はわからないのです。車内で目に見える発言や、噂や評判が、人のイメージを大きく左右します。

自分が見聞した部分的な情報だけで、その人のイメージをつくってしまうのです。

それらの情報があって初めて想いが伝わる状態が創り出されているのです。「表現されない自己は無に等しい」です。自分というメディアを知って、自分にしか言えないことを伝えることが大切になります。

良い問いから論点をすりあわせ、意見となぜが整理でき伝わるコミュニケーションをする方法

想いが伝わるための5つの基礎の中にあるように、主張と背景を伝えることはとても重要です。ですが、これらの情報を整理しても伝わらない場面があります。

それは、伝える相手と背景が共有出来ていないときです。

それを解消するのが、問いに着目して、相手の背景を把握することです。

背景を正しく捉えることで論理的なコミュニケーションを実現し、受け手が把握しやすい情報を創り出す事に繋がります。

論理的に話すことをもう少し掘り下げてみましょう。

論理的に話すとは、「あらかじめ「問い」を共有したうえで、「意見となぜ」で話す」ことです。

前提・主張・理由という3要素を満たして初めて論理が繋がり、伝わります。それぞれ重要で主張と理由については説明したとおりで、この章では前提を考える重要性について紹介します。

書籍や新聞を読むとき、ふと目にした言葉が目に留まる経験をしたことがないでしょうか?

その言葉・意見が目にとどまるのは、惹きつけられる背景を持っているからです。

つまり、読んでいて目に留まる意見は、必ず裏に良い「問い」を持っているということです。

問いは想いを伝える基礎を効果的に伝える上でものすごく強力なツールとなります。

問いを無理やり数を出すことは、視野そのものを広げる力にも繋がります。問う力に向き合おうとすると、普段の自分たちは、いかに限られた問いの幅で、考えたり話したりしているかに気づきます。

想いを伝える基礎が定まっていても話が通じない時があります。

その時は、「何を言おうか」「どう言おうか」よりも「今、相手はどんな問いに基づいて話しているか?」「自分はどんな問いに基づいて話しているか?」とチェックしてみましょう。

文章でも、会話でも、話全体を貫く一つの大きな問い(=問題意識)=「論点」話の舵を握るのは論点です。自分と相手が「論点」を共有していないと、会話はすれ違ってしまいます。

コミュニケーション能力を大きく向上させる、「問い」の訓練方法

問う力は思考を深めるだけでなく、伝わる上でもとても重要であることを説明してきました。

その問いの力を伸ばすことは、コミュニケーション能力を向上させる上でとても重要です。最後に、問いのトレーニング方法を紹介します。

タイマー3分問いの洗い出しワーク

シンプルですが、3分の時間制限をかけて思いつく限りの問いを書き出しまくるワークです。

ゼロ秒思考を一緒にやってみると効果的でしょう。

キャリアという切り口を考える上で、いろんな問いを書き出してみるのです。やってみると分かるのですが、いろんな論点を書き出せない自分に驚くことでしょう笑

いかに限定的な視点で物事を考えてしまっているか似気づくきっかけにもなります。逆に様々な切り口をさらさらと書き出せる人は、普段から多面的に思考していることでしょう。是非その調子で伸ばしていきましょう。

問いスクラップ

自分で書き出すだけでは限界がきます。次のワークは世の中にある主張・理由から、その背景に潜んでいる問いを抜き出して集めていくことです。

世の中のコミュニケーションで効果的なものは必ず適切な背景、問い・論点を持っています。

それらに対して自覚的になり、問いに着目していくことは良い問いを導きだしていく訓練に繋がります。

具体的には文章を読んで琴線に触れた部分を集めます。内容の「問い」に着目するのです。具体的には以下の3手順で集めていきましょう。

  1. 1.面白い!と思った記事などを切り抜いて貼る。
  2. その面白い考えは、どういう「問い」から出てきたのか。文中にあれば線を引く
  3. 文中に「問い」がなければ「意見」から逆算して割り出す

問い100本ノック

最後は、より筋トレに近いメニューである「問い100本ノック」です。

洗い出したり集めたりしながら自分の問いの力を伸ばし、量をこなせるようになるために筋トレに近いトレーニングを行うのがこのワークです。

やり方はシンプルで、テーマについて「問い」を100個つくることです。

ものすごく大変で、挑戦したことがありますが一筋縄ではいきません。30~40個かけたくらいで筆が止まってしまうことでしょう。

大事なのは、書き出す中で問いを掘るエリアを掘れるところ全て堀だそうと試みることです。

「問い」を出す際に、When,What,Whyと持ち替えても、どんなに深掘りしても思考が行き詰まってしまう時、掘るエリアそのものを広げるしかありません。

その苦しい模索の中で、今まで捉えられていなかった問い・背景を掴む訓練ができるようになり、コミュニケーション力向上に繋がります。