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ビジネスマンとして必要な「売る力」を理解し、キャリアに活かそう。
ビジネスマンが身につける力の1つで重要なスキルが「売る力」 様々な本も売られており、営業やマーケティングという専門職の言葉で語られるものも多くあります。
その中でも経営者が「売る力」について語った本、「売る力 心をつかむ仕事術」から考え方を学びキャリアに活かすことを目的でまとめました。
売上高9兆円という驚異的な数値を実現しているセブン&アイホールディングス総帥の鈴木俊文さんが語る本質です。必ずや参考になるはずです。
全てを「お客様の立場で」考える。
今はもの余りで、お客様はお腹がいっぱいの状態です。 需要よりも供給が多い状態。だから、新しい価値を提供できるものしか売れません。
そんなものあまりの時代であっても、お客様は新しいものを求めます。 常に新しく差別化された商品が求められ、それに追随してもあまり売れません。
お客様の立場で何が求められているのかを考え続け、提供する。 競争は自己差別化です。豊かな社会であればあるほど、どれだけ差別化できたか、そしてお客様の視点で求められるものを提供できたかが肝になります。
新しいものを生み出す意味のイノベーションは2つ
新しいものを生み出すといっても、どのように考えれば良井のでしょうか?
新しいものを生み出す意味のイノベーションは2つあります。
それは、
- これまで存在しなかった概念のものを生み出すこと
- 既存の概念のものに新しい意味を付け加えて確信すること
この2つです。
1つめは世の中で一般的に捉えられるイノベーションを指しています。こちらを考え続けようとするのは至難の業です。そして、持続的ではないだけでなく現実的ではありません。
新しい概念をむりやり考えようとしても、突拍子のないものになることが多いです。それがお客様に求められるものとは限らないし、検証しようがない。
重要なのが2つめです。すでにあるものであっても、組み合わせて新しく提案するだけで価値になります。組み合わせ方で今までになかったイノベーションを生み出していくこと。
そして、市場に提供することで求められたものなのかを検証し続ける。その繰り返しがイノベーションになり自己差別化を実現しています。
現代の消費者は「消費を正当化する理由」を求めている
自己差別化した上で重要なのは、売る上での魅せ方です。
現代の消費者は「消費を正当化する理由」を求めています。「メリハリ消費」や「ごほうび消費」といったものです。仕事で疲れ切った帰り道、コンビニでちょっと高めのスイーツを買う体験が想像つきやすいでしょう。
なぜこのような消費をするようになったのかというと、選択に納得性が生まれる体験であるから。自分の選択に納得できる理由が明確にあるものだからと考えられます
お客様は何を買うかといえば、価値を買いたいのです。
おにぎりやスイーツを買っているのではなく、買ったことによる感情的な喜びや気持ちの良さという価値を買っています。
モノあふれ、社会が裕福になるほど、お客様は消費を正当化できる理由や選択を納得できる理由を探し、メリハリ消費、ご褒美消費、イベント消費が増えていきます。
そこにビジネスチャンスがあり、売り方の本質があります。 売り手に求められるのは、消費を正当化できる理由や選択を納得できる理由をお客様に提供することです。
お客様が納得する、購買する理由があり決断するような商品を提供すること。そしてその価値を伝えてあげることが購買に繋がっていきます。
売り手は「お客様のために」ではなく、「お客様の立場で」考えなければならない。
この消費を正当化する理由を考えていく上で注意すべき点があります。 それは、売り手は「お客様のために」ではなく、「お客様の立場で」考える必要があることです。
両者は一見同じように見えて、全く違った答えが出てくることがあります。「お客様のために」は視点が売り手側にあります。
売り手の都合の範囲内で「一生懸命やる」のと、お客様の都合に合わせて「正しいことをやる」のとではまったく意味が違います。
自分としては一生懸命やっているつもりでも、結果がでなければ、どこかで売り手の都合の範囲内で考えていないか、見直すことが重要です。
きっとお客様の為にという視点で自分都合の価値提供を考えてしまっていては、消費の正当化する理由を提供するのではなく説得に鳴ってしまっている可能性があるからです。それでは価値が届かず売れません。
自分の考えの起点が違うと結果が大きく変わるということですね。
当たり前とはあるべき姿。当たり前の事ができるのはものすごくレベルの高いこと。
徹底的にお客様の為にという視点で考え続けることは、当たり前と言われるかもしれません。けど、その当たり前を継続出来ている企業はどれくらいあるでしょうか?
もしほとんどの企業が当たり前に出来ているのであれば、セブンと同じ売り上げ規模の会社はもっと多くなるでしょう。けど、現実は違います。
当たり前とはあるべき姿であり、当たり前の事ができることはものすごくレベルが高いことなのです。それも継続し続けることはなおさら。
過去の経験の延長線上で考えると、「これまでこうだったのだからこれからもこれでいいだろう」と、積極性の乏しい冷めた意識になりがちです。
一方、未来から発想すると、「こうありたい」「こうあるべきだ」という思いが前面に出るため、主体的な意識になります。
誰にとっての「当たり前」なのかを常に考えること、「あるべき姿」の軸がぶれないこと。お客様のためにという基本原則を守り続ける「有るべき姿」の実現には、徹底的に本質に向き合って考え続ける姿勢がその背景になるということです。
これはビジネスマンとして、どんな職種で働くとしても忘れてはならない考え方だと個人的には考えています。「売る力 心をつかむ仕事術」は売る力という言葉を成り立たせる、「お客様の為に」という商売の本質について語っています。平易な言葉で今回紹介した考え方以外にも、セブンの具体事例なども紹介されています。興味を持った方は是非手に取ってみてください。