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ECRSの4原則を元に、業務改善を試みよう。
ECRSの4原則を知っていますか?
ECRSとは4つの英単語の頭文字をとってきているものです。詳細を紹介すると、Eが排除(Eliminate)、Cが結合(Combine)、Rが交換(Rearrange)、Sが簡素化(Simplify)の4つです。
ECRSの4原則とは、元々は製造現場での的確な課題把握・抽出とその業務改善において使われる手法です。
仕事の関係で業務改善を専門としてお仕事されている方と関わる機会があり、その方の仕事の本質について伺った時に教えてもらいました。全てこの4要素に乗っ取って書き出して可視化し考えていけば、価値提供できるところが必ずあると自信を持って語られる姿が印象的でした。
この汎用的なフレームワークの考え方はどんなビジネスマンにおいても役立つ考え方で、どんな役割の中にあっても使えると考え紹介することにしました。
それぞれ、より詳細を考えてみましょう。このフレームワークの基礎は、まず業務を洗い出して上から検討していくことです。
排除(Eliminate):業務をなくすことができないか?
最初に考えることが、今やっている業務をなくすことができないか?という視点です。
人間は仕事を増やすことは得意でも、仕事を減らしたりなくすことは得意ではないことが多いです。定例の資料作りにしても、1時間かけていることを取り組んでいても実際は求められていないものかもしれません。
週に1時間、それを3年間続けていた業務だったとしたら156時間。時給が2,000円だったら31.2万円です。1つの業務を減らすだけで長期でみたら大きなコストカットになるのです。
それって本当に必要なのか?という視点を持ち業務をなくすことはとても重要です。細かな工程であっても改善することは継続的に利いてくるので重要なのです。
今の工程や作業の目的を考え、意味があるのか?本当に時間をかける
必要があるのか?を考えてみましょう。
結合(Combine):業務を1つにまとめられないか?
不要な業務を減らしたら、次に考えるのは効率化です。
1つの作業であっても、同じような事をやっている工程・作業に合わせることで時間短縮や効率アップに繋がります。
アカウント管理や勤怠入力や問い合わせ対応など、1つずつの細かな作業は時間がかからなくても煩雑でアテンションをとり続ける業務があるとします。
それに対して、類するものをまとめられないか?分業になっているけど1担当者でできないか?を考えます。
組織として広げてみて結合させると、マネージャーとしての管理コストも減らすことができます。まとめる動きは一石二鳥なのです。
交換(Rearrange):業務の順序や場所などを入れ替えることで、効率が向上しないか?
次に考えるのが、業務のリアレンジです。
今やっている作業工程の順序や場所を変更することによって効率化できないか?を考えます。
同じような業務をまとめて対応していって組織が筋肉質な集団に洗練されていったとしても、どこかで限界がきます。
捨て、結合を考えた上でより大きな会社視点で全体最適を考えた時に、自部門あるいは他部門に業務を移管したらどうなるか?という考えをしてみることが重要です。
エンジニアとビジネス職を抱える部門がいくつか統合される中で、アシスタント部隊を一気に統合し、全体最適化した運用体制を作れないか?という思考などがそれにあたります。
順番を変えることも意外な気づきを得るきっかけになります。
簡素化(Simplify):業務をより単純にできないか?
最後は簡素化です。
人間はどんなに複雑な作業であっても慣れによってこなすことができてしまいます。なので、担当者が固定化すると業務が複雑であっても回ってしまい、引き継ぎ等発生したときに余計なコストが発生します。
業務改善を行う時、業務一つ一つ二対してもっと簡単な方法で出来ないか?ツールを活用して効率的に作業する方法を取り入れられないか?と考えることはとても重要です。
ツールにお金がかかるとしても、運用していく人たちにかかっている運用費用や目に見えにくいマネジメント工数の方が実情多くコストがかかっていることは往往にしてあります。
業務の最適化のECRSのサイクルはどんどん回し続ける中でも、自動化やパターン化して最適化を思考し続けることは業務改善の根幹になります。
今ある業務を洗い出し、上記の法則に合わせて改善できないか?を考える。
ECRSの4原則を紹介しました。
めちゃくちゃ役立つフレームワークだなあという共有だけでとどまらせてはもったいないので、是非時間をとってこの4原則を自分自身やチーム・組織の業務改善に役立てることを試してみてください。
シンプルな考え方であるにも関わらず、強力で使いやすいものになるので上手く使えば大きく成果を上げることに繋がるでしょう。
やることは簡単です。
今見えている業務を全て書き出し、工数を算出することです。
工数とは、業務1つにどれくらいの時間がかかっているのか?という時間数値と考えてください。
とにかく細かく洗い出すことが大事です。メールの確認とか、コミュニケーションツールの通知確認なども入れてみてください。
1個1個のタスクは短期的にみると時間がかかっていないようにみえるかもしれません。けれど、15分のタスクで週1であっても3年間続けていることとみたら39時間、時給2,000円なら7.8万円です。
ちりつもの業務を半分に減らせれば3年で3.9万円のコスト削減です。それが10個あったら、39万円。年で13万コスト削減できるのです。
売り上げをあげることと同じくらい、コスト削減することは重要です。なぜなら売り上げーコスト=利益だからです。
コストを最適化して売り上げ最大化に貢献する組織を作れる動きができれば、どんな会社でも求められる存在になれます。
ルーティン仕事をいかにECRSの4原則で変えていけるか?という視点はいつでも小さく取り入れていけるものですが、その効果は絶大です。是非取り入れてみてください。
業務改善のプロフェッショナルという専門性の魅力
業務改善という専門性は、どんな組織においても求められます。
業務改善のプロフェッショナルとしてのキャリアを志向していくことは、意外と競合が少ないわりに求められる幅が多いものであることを教わりました。
業務改善は無料ツール内でも工夫していけば、その導入支援するだけで大きく価値貢献できる幅があります。
Googleのドキュメントやスプレッドシートの使い方も、効果的な運用方法を設計すれば効率よく働く土台として機能させることができます。
Googleサイトというツールを使えば、社内wikiを簡単に無料でつくれますし、GASというスクリプトも調べて書けるようになればより出来る幅が広がります。
ネットで調べてこういうことができる!ということを知り、導入していくだけでも効率化の道は開かれるのです。
業務を効率化するコストカットや組織のスリム化は売り上げよりも企業運営において影響が大きい部分です。
業務改善という専門性は、バックオフィス系の主要軸となる仕事術で、それができることでどんな組織で会っても成果をだせる人間になれます。
業務改善を仕事にする道、コンサルをする中で横の企業のベストプラクティスを活かしよりさらなる横展開につなげるなどが可能です。
この専門性は夢も大きいし、目立たない分差別化できるなと最近考えています。
まだこのキャリア自体始まったばかりですが、何か役立つものが提供できるようにまた記事を書いていきますね。