目次
伝説的ロックバンド「グレイトフル・デッド」からマーケティングを学ぶ
グレイトフル・デッドというバンドを知っていますか?
1965年にカルフォルニア州パロアルトで結成されたアメリカのロックバンドです。 多彩な音楽スタイルで多くの人を魅了し、熱狂的なファンが多くアメリカを代表とする伝説的バンドとされています。
世界中で3,500万枚を超えるアルバム売り上げという驚異的なヒットの背景には、ユニークなビジネスモデルが存在していました。
そんな彼らをビジネスの視点から大事なことを学ぶ本が「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」です。
できたらみんなが喜んでしまう商品やサービス。 それを生み出し続け、顧客を大きく創造した彼らから、自分自身の活かし方を考えるエッセンスを紹介します。
グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ (日経ビジネス人文庫)
自分が戦いやすい土俵をつくる
ビジネスモデルを築きあげるためにまずやらなければならないこと。
それは、自分の業界を調べてよく知ることです。
どういう価値が交換されていて、どういうものが求められているのか。
実際にその業界にいる同業種はどういう価値を提供していて、自分とどういう違いがあるのか。
ライバルがひしめく競争の激しい土俵から抜け出し、よそとは違うユニークなやり方で顧客にメリットを提供する。
そういうことを考える中で、自分が戦いやすい土俵をつくりだします。
彼らは初期からコミュニティ形成に注力し、無料の食事、宿泊、音楽といったライブだけでないものも提供しファンとの繋がりを創り出していました。 コミュニティの力を信じ、投資したからこそ偉大な結果を得ることができました。
ライブも他のバンドとは異なり、即興的な演奏を中心として独自のライブ体験を創り出していました。
音楽の基礎的な能力は高いとしても、音楽業界という立ち位置の中で自分が輝き戦いやすい所を創り出す事に向き合ったからこそ、成功に繋がったとも言えるでしょう。
ありのままの自分で、透明性を大切にする。
この言葉は本の中でとても印象に残っている部分です。
バンドというような人前に立つ職業だと、ミスが許されない厳しい世界です。
ですが、ミスをしたとしてもそれを正直に受け取り、ありのままで活かそうとするとそれは逆に味になります。
即興的な演奏という特質がありつつも、等身大の自分を元にしながら正直に音楽を提供する。
自分らしく、正直に。
間違いを犯したら謝り、信頼を取り戻す。
大切なことは、基本的な姿勢。
この姿勢は最もビジネスマンとして重要な土台です。
そこがあるからこそ、ファンがついてくるということをグレイトフル・デッドは証明しています。
得ようと思ったら、まず与えなければならない
彼らの面白さは、コンテンツ提供にも表れています。
ライブは録音OK。音楽は無料で聴き放題。
権利というものでがんじがらめにされておらず、とても自由に、消費者や顧客に自分たちのサービスを提供していました。
それによってどんどん拡散され、自分のブランドを真似するような企業が出てきたらそれすらも仲間に入れて提携してしまう懐の広さ。
でも、それが結果的に彼らのサービスを大きく広めるきっかけとなったのです。インターネット時代のフリーミアムモデルやシェア文化を実現しているとも言えるでしょう。
得ようと思ったら、まず与えなければならない。
消費者や顧客にリーチするには、面白いブログ、ビデオ、記事などの無料コンテンツを沢山作成することが大切です。
直感的に、無料で提供しては儲からないと思うかもしれないが、実際には効果があるのです。
まず与えること。
そこから始まっていくのだというのを強く実感します。
グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ (日経ビジネス人文庫)