目次
ポータブルスキルを身につけることが、自分らしく生きる道をつくってくれる
ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても持ち運び可能な能力です。 仕事で成果を出していく上で土台となる力で、この能力次第で働きやすさが大きく変わっていきます。
汎用的なスキルであり一番投資効果が高く、伸ばすことで自分らしく生きる道を作り出してくれるものです。
この記事ではそんなポータブルスキルの伸ばし方を紹介していきます。
ポータブルスキルとは何か?
ポータブルスキルを知っていますか?
ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても持ち運び可能な能力のことを指します。 特定の業界においてのみ活かされる専門性はテクニカルスキルとして区別されます。
ポータブルスキルは大きく分けて「仕事の仕方」と「人との関わり方」の2つに分ける事ができます。(この分け方は厚生労働省の委託事業者が作成している「ポータブルスキル活用研修」という資料を基に作成しました。)
仕事の仕方の種類「PDCAを回していける力」
- 現状の把握
- 課題の設定
- 計画の立案
- 課題の遂行
- 状況への対応
仕事の仕方は論理的に課題解決する能力。ハードスキルと呼ばれています。
現状の把握は、目の前の現実で何が起こっているのかを整理する力です。 与えられた仕事を実行するために、作業を理解し実行する力と言い換えても良いかもしれません。
課題の設定とは、目の前の事象を観察・実行する中で目的から考えて適切な状態なのかを判断する力です。 出来ている状態を考えるならば、実行している作業マニュアルは丁寧だがコストが大きくかかっている状態。 目的は効率的に作業しコスト削減実現する方法。 ここに課題がある、のような思考プロセスをたどれる事です。
計画の立案は、特定の目的達成(課題解決など)のために、長期的なプランを考える能力です。
解決したい課題は、短期で解決できるものは少なく長期で着実に行動を重ね状況に応じて変更などに対応しなければなりません。
その土台となるのが計画で、見通しを立てて方向付けるという能力は個人ではなくチームで目線をそろえながら仕事をする中でもとても重要な能力です。
課題の遂行は、特定した課題を解決する実行力です。
目標として決めた数値を確実に達成するために逆算で考え、必要な行動を積み重ねる事。 営業組織では達成が評価の指標の中心軸であり、実行力があることで新しい情報を得て成果に繋がるきっかけを掴むことができます。
状況への対応とは、刻々と変化する状況の中で最適な方向を常に論理的に考え変更できる柔軟さです。
ここで重要なのは「何が本質なのか?」「何が重要なのか?」を考え続けることです。 状況把握をする中で、どういう方向が適切なのかを選択するために思考する力になります。
これらの項目を一言でまとめるならば、PDCAを回す力と言っても良いかもしれません。 把握・行動・計画・修正のサイクルを回せる力は仕事を回していく土台となる重要なスキルになりうます。
人との関わり方の種類「コミュニケーション力やマネジメント力」
- 社内外の人との利害調整、合意形成
- 納得感の高いコミュニケーションや支持の獲得
- 業務の割り当てなどのマネジメント
もう一つ重要なのが、人と関わり方に関連するスキルです。 ソフトスキルと呼ばれています。
評価基準が明確ではなく、一概に体系化できないのが人との関わり方に関連するポータブルスキルです。コミュニケーション能力が重要、と就活の時に言われていたやつのことです。
社内外の人との利害調整、合意形成は、集団で協力をしながら仕事を進めていく組織においてとても重要なスキルです。
自分の主張だけを押し通そうとしてもうまくいきません。 ビジネスは三方良し、メリットの交換関係といったように相手に与えることで与えられるサイクルを作り出せるかが肝になります。
お互いの主張がずれた時に、弁証法のようにお互いが良い選択肢を模索し協力関係を作り出せるように会話・導ける力はどんな環境にいっても重宝されるスキルです。
納得感の高いコミュニケーションや支持の獲得とは、主張で相手を納得・説得させ行動に移させる伝え方ができる能力です。
プレゼン力と世間で呼ばれているものを想像すればよいと思います。スティーブ・ジョブズのプレゼンがまさに納得感の高いコミュニケーションや支持の獲得の最も良い例です。
あそこまでとは言わずとも、営業やマネージャーとして人を動かす伝え方ができるかどうかで成果は大きく変わってきます。何より普遍的なスキルです。
業務の割り当てなどのマネジメントは、まさにマネジメント能力のことを指しています。
マネジメントは最も奥深く役立つポータブルスキルです。 なぜなら、組織においてマネジメントは絶対必要なのですが、その能力習得難易度が高く実行できる人が少ないからです。効果的に実施することは長い経験も必要な領域です。
何より人を動かすマネジメントは、メンバーによってやり方が変わり一意的なやり方ではできません。常に変化し最適解を模索する必要があり、できるようになった時の市場価値は絶大なものになります。
専門性の寿命が短くなっている現代において、ポータブルスキルの重要性が高まっている。
ネットの普及によって情報が広がりやすくなった現代。 情報を握ることで専門家という職業がなりたっていた士業をはじめとした専門職が、新しいサービス構築や環境変化によってどんどん寿命が短くなってしまいました。
仕事としてなくなることはないにしても、より質の高い専門性を維持し続けなくてはいけないのが現代。専門によっては変化によって必要なくなるケースも出てきています。
長期で能力を磨くにしても、一生涯続けられる保証がない。
そういう現代の人、特に私と同年代の20代はポータブルスキルを磨きどういう環境でも働ける土台をつくることがより重要になっているト考えています。
この質を高めることが自分らしく生きる事に繋がるのです。
仕事の仕方や人との関わり方が重要なポータブルスキルであるとは知ったものの、具体的にどういう風に伸ばしていくのか? 役立つ方法論ってないのか?という疑問が出てくることでしょう。
そこで今回は「シノ社長の経営塾: ”トレードオフの両立”は、 成果を10倍にする」からどのようにポータブルスキルを高めるのかを学べるように記事をつくりました。
書籍を全て読んでいただくのが一番良い選択なので可能な方はそうしてもらいつつ、この記事では私が特に重要だと考えるスキル・見方を紹介します。
仕事の仕方 ~QCDのトレードオフ、仕事が速い~
トレードオフを両立させる
課題解決は簡単ではありません。 基本的にトレードオフの関係で、こちらを選択すればあちらにデメリットが出てくることがほとんどです。
その中で重要なのが、両方とも得ていく姿勢。 何かを得るためには何かを失うというトレードオフではない道を探ることが重要であり、協力なポータブルスキルとなります。
トレードオフをそのまま受け入れる仕事は誰でも簡単にできます。 なぜなら考えなくても、方向性に従って実行していくだけだからです。
難しくて諦めたくなることは、多くの人にとっても難しい事柄です。 社会全体でも諦める比率が一定数でるので差が出ること。
トレードオフを乗り越える必要のある難しい打席にたち、ヒットを一本でも生み出すことが価値になるのです。
トレードオフを考える上で、指針となる考え方「Quality」「Cost」「Delivery」です。 この3つのQCDのバランスが最適な選択肢を提示し結果を出せたら大きな市場価値ある人材になれます。
指針の詳細を説明すると、
- Quality
- 品質が高い・低い
- Cost
- お金がいくらかかるか
- Delivery
- 締切の管理
の3つですね。 この3軸はトレードオフの関係にあります。
その中でもなんとしてでも両立させるために、方法を考えて実行するのが優秀なビジネスマンです。不確実性がさらにましたこの世の中で、この仕事術になれ成果の土台に出来た人はとても強力なポータブルスキルを身につけたことになります。
仕事の現場でQCDの矛盾を感じたら、むしろチャンスと思いましょう。 難易度が高いけれど、整理する指針はあります。 挑戦し、乗り越え売り上げをあげたりお客さんを喜ばせる成果につなげること。
それは何にも替え難い経験になるはずです。
ビジネスの現場では、「それはできません」という返事をしたら終了と考えましょう。 もう一つ深く考えて「それはできないが、この方法ならいけるかも」という回答癖をつけることが重要です。
これだけで課題解決能力がぐんぐん上がり続け、愛される人になる。 強力なポータブルスキルは転職しても活きるので、自信を持って自分らしい働き方をしながら成果を追い求めることができます。
「仕事が速いことは価値」と知っている
仕事が速いということはとても大きな価値です。 スピードが速いというだけで、モノやヒトの価値が高まります。
バス、自動車、新幹線、飛行機を比べてみてください。 どれが一番利用料金が高いでしょうか?
一番速く動く事ができる飛行機が一番高いです。
金額が高いということは、それだけ提供価値が大きいとも言うことができます。 これを人の仕事スピードにも当てはめて考えてみてください。
速く提供されるサービスの方が価値が高く、求められる例が多くないでしょうか?
仕事が出来る人は、タスクの処理スピードが速いです。
- チャットやメールのレスポンス
- 企画書(資料)の制作
- 交渉の進行
どれをとっても速いです。 なぜなら、速くしようと努力し平準化の質を高め続けているからです。
これもポータブルスキルの一つです。
処理能力は、方法論で改善する余地が沢山あります。
一つ一つの仕事をより速く、質を高めて行えるか?を考え改善サイクルを回していくこと。 このスキルはどんな業界にいっても、土台となる考え方であり成果をだすための軸になるものです。
考え方として、「遅いより速いほうがいい」を徹底すること。 それが人に求められるポータブルスキルになっていきます。
人との関わり方~期待値調整、共通項の探し方、生産性の高い会議~
期待値調整が上手い
期待値調整は人との関わって仕事を進める上でとても重要な要素です。
お金の部分と期限の調整が上手いことは特に大切です。
お金の期待値調整例をまず紹介します。
営業場面で50万と期待させて80万は売ることができません。 期待を裏切ることになるからです。
100万と期待を伝え80万にすることで相手の期待を超えることができ受注確率が高まります。 なぜならクライアントの期待値を100万に上げることで、クライアント側は「20万」安くなったと思ってもらえるからです。
これがお金の期待値調整です。
相手の期待値を考え、それを良い形で裏切ってあげることが価値になります。
次に期限の期待値調整例を紹介します。
仕事は期限の切り方がとても重要です。期限を切って破ってしまったりリマインドをさせてしまうことは相手に不安や心配を与えてします。
来週の水曜までに提出と設定したのであれば、その週のうちに提出するような調整を行うことが重要です。(設定する期日に無理がないこと+それよりも前倒しで実施すること)
これは社内だけでなく社外でも重要です。
クライアントの期待値を来週に設定しつつ、それを前倒しで叶えるとうまく期待値調整が行えることになります。
重要な姿勢は「もらったボールはすべて期待値を少しだけ超えて返すこと」です。 大きくなくて良いのです。少しだけ積み上げること。 オーバーワークしない範囲で、着実に超えていく行為をできることが着実な成果になり、その人の信頼につながります。
ヒアリングと共通項の探し方が上手い
次に紹介するのは、ヒアリングと共通項の探し方です。
仕事は相手を理解した上で調整を行い、人を動かしていくことが根幹の目的です。
その上でヒアリングは最も重要な作業になります。 なぜなら全てのサービスは相手の課題に対して対応したものを提案し解決につなげてもらうことが目的だからです。
相手を理解できるようなヒアリングを行い課題を特定できれば、自分が提供するサービスのいろいろな機能を変幻自在に提案できます。
課題解決を行う土台を生み出すヒアリング能力は、営業だけでなくコーポレート部門においても活きてくるとても重要なポータブルスキルといえるでしょう。
関連する話でヒアリングが上手い人は、コミュニケーションが上手いといえます。 なぜなら、相手に足並みをそろえて理解した伝え方ができるからです。
コミュニケーションとは「共通項探しゲーム」といえます。 共通項を探す3つのポイントがあります。
- 深く狭く探す
- 広い質問から狭くする
- 相手の好奇心に合わせる
共通項は深ければ深いほど通じ合えるきっかけになります。 私が過去に一発でつながれた方との共通項は、「ロサンゼルスにある日系のラーメン屋に行ったことがあった」でした笑
めちゃくちゃ狭いですが、これによって一気に繋がることができました。
そういう狭い共通項は中々見つかりません。
まず広い趣味とか興味を確認しながら、相手の好奇心に合わせて質問をしてしゃべってもらうこと。それがとても重要です。
自分は興味関心がなくても、相手には興味関心がある話題を深掘っていく中で引き出していく。
この能力は日常生活にも活きてくるポータブルスキルになります。
生産性の高い会議ができる
最後は生産性の高い会議ができるスキルです。
生産性の高い会議は大前提で、以下3つの目的が定まっていることが大切です。
- 承認
- 相談
- 共有
この時間は承認を得るためのものなのか? 知見者に相談をして仕事を前に進めるためのものなのか? 参加者に情報を共有するためのものなのか?
この問いを前提に場を設計できていることがとても重要です。
その前提に則った上で、会議を開催する上で以下の3つを毎回整理できていると生産性の高い時間を作り出すことができます。
- 事前にアジェンダを共有する
- 議論は事前に行っておく
- アジェンダごとに大前提の目的が明確(承認 or 相談 or 共有)
会議がはじまるまで何の議題について話すのかがわからない状態は生産性が低くなります。
事前に出席者全員が議題を理解した状態で会議に望めるようにすることが大切です。
会議の論点を事前にチャット等でやりとりしておくことも重要です。 なぜなら事前に解決すれば会議自体はなくし、時間を節約できるからです。
予定どおりやっても、事前に議論することで短縮できます。 会議をなくしたり、会議時間を短縮することは生産性を考える上で非常に重要です。
目的が明確でないと、承認のためなのに相談として意見を交わす時間で目的がぶれたりします。 承認 or 相談 or 共有のどの時間なのかを明確にすれば、参加者の心構えや商店が明確になり生産性が高まります。
一つ一つの具体的なポータブルスキルの積み重ねは、仕事の生産性を高めます。
その向上が市場価値になるのです。
個々で紹介しているスキルはどういう業界で働くとしても土台となり、成果に繋がる方法論です。 是非、参考になった方は日々の仕事の中で小さくでも取り入れてみてください!
「シノ社長の経営塾: ”トレードオフの両立”は、 成果を10倍にする」ではキャリアの考え方などにおいても重要な考え方を紹介されています。
是非見てみてください!