キャリア

新卒OJTの中で改めて学んだ、成果を出すために必要な仕事術の基礎

新卒メンバーのOJTの中で、仕事術の基本がどれだけ大事かを改めて実感した

新卒メンバーのOJT担当をして、もうすぐで1年が経ちます。

実地で一緒に仕事をしながら過去の自分の経験を織り交ぜて経験の解釈や乗り越え方などを伝えてきました。本質的なことは凄くシンプルで、伝えながら自分自身がさらに仕事を進める上で重要な要素を学ぶきっかけになっています。教えることが一番学べる機会だなと実感しています。

仕事術の基本はものすごく重要です。

どんな業種であっても基本は同じで、ベースとなる思考術を身につけて仕事を進められることをどれだけ早く、意識的に磨き始めれるかで働きやすさが大きく変わります。基礎的な土台をしっかり固めることが一番の近道です。専門性が移り変わりやすく、賞味期限が短くなってきた今だからこそ強く感じます。

コンサル一年目が学ぶこと」は、この数年で折に触れて何回も読んできました。

仕事で成果を出していく為の要素を簡潔に、とてもわかりやすく伝えてくれる本です。ここの本の内容を丁寧に質高く実現できるようになるだけで、大きく働きやすさが変わるはずです。基礎は色あせません。本質的なことにしっかり向き合うことが成果に繋がります。書籍の中で紹介されているもので、私がOJTの中で改めて読み返す中で、重要だと考えたものを紹介していきます。

「考え方を考える」具体に入る前に、取りかかる方法を定める。

1つめは、「考え方を考える」です。

仕事で成果を出す方法は、正しく考えることです。この考えることというのはやっかいで奥深く、言うは易しであっても適切に実行することは意外と難しいです。

考えるという行為は、目的に対して本質的な課題を特定し、具体的に必要な行動を整理・計画し、実行できる状態にする。そのために曖昧な概念を切り崩して、咀嚼していく行動といえます。端的にいうと、目的というゴールに向かってどうやって進むか?を定めていくことです。

重要なのは、この考えるという方向性です。考えるという行為には答えはありません。1つの目的に対して様々な考え方(切り口)が存在しています。その中で適切と考えられるものを選択することが求められます。それが故に、考え方次第では目的に向かっていく上で遠回りになることもある。なので、「考え方を考える」ことが重要な意味を持つようになります。

何か物事を行う時、まずどのような考え方を選択するのか?を整理することが重要です。どのように進めたら求める答えに行き着くことができるかという「アプローチ」「考え方」「段取り」の部分を最初に考えるのです。

こうすると作業をするにしても、手順を考えて合意をもらうことで作業方向性を間違えず二度手間にもなりません。最初の方向性があっていれば、詳細な仕事の進捗が良くなかったとしても後からそこまでコストをかけずに修正することができます。大きい設計図をまず作成、手順も合意を得てから細部の作業にうつるということが出来るだけで、大きく仕事の効率が向上します。

常に自分の意見を持って情報にあたる

次に紹介したいのは、「常に自分の意見を持って情報にあたる」ことです。

情報を沢山収集したとしても、成果には繋がりません。方向付けがされていない情報では判断や行動に繋げられず、仕事で重要な意思決定ができないからです。情報量を増やすのではなく、それを扱ってどうしたいのか?がまず大事です。

ビジネス能力の高い人は、以外と情報をため込みません。それなのに情報を常に収集しているような人に比べて強く刺さる意見や主張を生み出したりします。その違いは考え方です。私の会社の社長がそうですが、1つの事象に対して想像力や仮説だてを通じて自分の意見を描き、具体的になった自分の意見を元に周囲の人とディスカッションしたりする中で欲しい情報を効果的に集めています。効果的な情報が集められることで、質の高い意思決定ができているのです。

ビジネス能力を向上させるのは、情報量ではなく、考えることです。

自分の意見を持って情報に触れて初めて学びの機会が生まれます。まず自分で仮説を立てたり答えを考える事が重要です。考えを持つ事は間違っていることに気づいたり、他人と考えが違うことを認識する上で必要。間違えることを怖れず、正解を覚えて使おうとしないことです。間違っていたり質が低くても自分の意見を出す事にこだわることが成果を変えます。考えて、自分の意見を持つことが大切です。

Talk Straight 端的に話す

次に紹介するのは「Talk Straight 端的に話す」ことです。

この言葉の意味や実現する所が実際にどういう意味を持っているのかは、社会人経験を積み重ねていく中でよりその重要性を実感するようになっています。特に新卒のOJTの中では繰り返しFBをしている項目で、言いながら自分自身に対しても繰り返し意識づけています。

端的に話すことは意外と難しいです。

難しさを創り出しているのは、恐れやプライドといったものが邪魔をしてくることが多いでしょう。これらは仕事上本当に不要なもので実業を進める上で足かせにしかなりません。仕事は行動が重要。その上で進んでいるか?進んでいないか?の2つの方向しかありません。

マネージャーの役割は集団の仕事価値を最大化することです。

それぞれのメンバーの仕事を最適に動かすために意思決定をし、必要な所にリソースを配分して全体の仕事を前に進めることに責任を持ちます。こういう立場の人間にとって、メンバーの仕事が進まなかった事情とかを言い訳されることは意味をなしませんし、不要な情報です。知りたいのはできたか、できていなかったかという事実だけだからです。メンバーの立場の人は、端的に質問にはYes/Noで率直に答えることだけが求められます。ここに真摯に取り組めるかは仕事のやりやすさを大きく変えます。

恐れ・プライドを乗り越える鍵は、実体験の中でしか学ぶことができません。

私は仕事が進まない時に守りに入って上司に対しての報告などをものすごく怖れてしまっていた過去があります。全く端的に言えず、感情的な壁が邪魔をしてきて上司に適切な報告ができず、全体の仕事を遅らせてしまったりしました。それによって自分の自信をさらに失うという負のサイクルに入ってしまいました。この状態を乗り越えたのは、怖れていても端的に言おうと勇気を持って行動していったからです。出来ていないなら仕方ない。そこから出来る方法を考える。そのために上司に端的に今の状況を伝える。率直に、簡潔に話せるようになってから仕事の進め方がシンプルになり成果も変わりました。ここは経験で乗り越えるしかない領域です。自分が何に怖れているのかを自覚し、行動で乗り越えることが大切です。

伝える時に、相手のフォーマットに合わせる

次に大事なことは、「伝える時に、相手のフォーマットに合わせる」ことです。

コミュニケーションは双方向のやりとりです。一方的に伝えた気になっても相手が本当に理解し、受け入れてくれてはじめて「伝わった」ことになり、成立します。大事なのは伝わる為に、相手目線になり、徹底的に相手の土俵に合わせた形で伝えることです。

相手の土俵に合わせる方法論の1つとして紹介されている事例は、普段の伝え方においても応用できるエピソードなので紹介します。

コンサルタントの成果物は、相手への提案資料が主なものの1つになっています。これは相手に伝わってはじめて意味をなします。それが故に相手の土俵に合わせた伝え方を徹底的に研究し成果に結びつけているのです。その方法とは、クライアントが過去につくった資料を徹底的に読み込み、説明の順番や流れ、視点にいたるまで徹底的に洗い出し、そのクライアントの資料の作り方の特徴を見つけ出すことです。見出しの付け方、使っているフォント、色使い、フォーマットも相手に合わせているそうです。ここから学べることは、資料という手段も相手を考えて伝わるために磨き上げる方法としてとても重要であることです。

究極の伝え方は、徹底的に相手の土俵に合わせて伝えることです。

相手の言葉、考え方、伝え方の癖を研究し、それに合わせて伝える。文書は、相手の用いるフォーマットに合わせて、作成する。社内用語、社外用語も明確にして織り交ぜる。こういった要素一つ一つにこだわることで「伝わる」が実現できます。

相手の期待値を把握し、超え続ける

最後に紹介するのは、「相手の期待値を把握し、超え続ける」ことです。

ビジネスをする上で、一番大事なものは相手の期待を超え続けることです。相手とは上司であったり、顧客であったり自分の成果物を受け取る人全員です。普段の生活においても何か価値提供をする先には人がいます。その人に価値を提供する時に期待を超えるものを与えることがとても重要です。

期待に応えることは、必ずしも毎回大きく超えようとしなくても大丈夫です。

大事なのは相手が求めてくる期待値に少し上乗せした形で価値を提供できることです。その少しの積み重ねを続けることによって常に評価と信頼を得られて、次にも仕事が来るようになります。この状態をを実現するためには、相手の期待の中身を把握する必要があります。

ビジネスというものは突き詰めると、相手の期待を、常に超え続けていくことにほかなりません。

顧客や消費者の期待を超え続けていくこと。上司の期待を超え続けていくこと。これが本質であり、それに応えるために相手の期待の中身を正しく理解する姿勢が重要です。本筋と関係ないおまけをくっつけたところで、相手にとってどうでも良いことです。求められないことに時間を使っても、評価はされません。相手の期待を把握しないと価値にはならないのです。

相手が期待する中身がわかったら、それを絶対に外さないことも重要です。

そういう意味で期待値を満たせないものは、安請け合いしないことも大切になります。時には、相手の期待値を下げる、期待値のマネジメントも必要になるでしょう。期待値を超えられない、満たせないくらいならばやらない方がましです。どんなに努力したところで、相手の期待値が絶対に超えられない、と予めわかっている案件は受けるべきではないのです。相手の期待値を把握することが全ての始まり。後は定めた所に向かって、超える努力を積み重ねることです。