自己理解

本当の勇気は「弱さ」を認めること

ヴァルネラビリティ(Vulnerability)とは何か?

ヴァルネラビリティ(Vulnerability)という言葉を知っていますか?

「本当の勇気は「弱さ」を認めること」という書籍で紹介されている概念です。

著者のブレネー・ブラウンさんはTEDで一躍有名にもなりました。

動画はこちらです。

ヴァルネラビリティは一言で言える日本語の単語はありません。

傷つきやすさ、もろさ、攻撃や批判などを受けやすいこと。 を指します。 この定義は「本当の勇気は「弱さ」を認めること」の書籍から引用させて頂きました。

なぜこの概念を紹介したいかというと、自分を活かす道を探る上で重要な視点を提示してくれるからです。

欠乏感と恥に支配され、不安であることに逆らうこと。 ヴァルネラビリティを受け入れることで、怖れを認めもっと大胆に挑戦できるようになります。

観客席やサイドラインの外側から批判を浴びせ口出しをするのではなく、勇気をもって存在を示し、生身の自分をさらすこと。それがヴァルネラビリティです。

ヴァルネラビリティ(Vulnerability)を身につけた先の未来

「本当の勇気は「弱さ」を認めること」では、以下の問いへの答えを探す道を一緒に歩むことが出来ます。

  • 何が傷つく不安をかきたてるのか?
  • 私たちはどのようにして、傷つく可能性から自分を守ろうとしているか?
  • 自分を閉ざし、自分をとりまく世界と関わることをやめるとき、どんな代価を払うことになるのか?
  • 生き方、愛し方、子育て、リーダーシップなどを変革するには、自分のもろさや傷つく可能性とどう向き合えばよいのか?
  • 恥とは何か、どう作用するのか、また自分は不充分だ(愛され、居場所を与えられる価値がない)と思うときに立ち直る力を、どのように養うか

仕事が上手くいかず不器用さが空回りして辛い時期に出会ったこの本。 特に最後の問いは当時の自分を乗り越える上でとても役に立った問いでした。

ヴァルネラビリティは、自分に素直になり等身大になることとも言い換えられます。

このヴァルネラビリティを認められている人は自分の弱みを受け止め、偽りのない生き方をすることです。

勇気と思いやり、人とのつながりをはぐくみ、朝目覚めたときに、「何を成し遂げたか、どれだけやり残したことがあるかに関係なく、私はこれでよい」と思うことができ、夜眠りにつくときに、「私は完璧ではないし、弱みがあり、ときには不安にもなる。それでも私に勇気があることや、愛され、居場所をもつに値することに変わりはない」と思える状態。

不安、関わる意欲の喪失、勇気への渇望。

こういったものに向き合う、ヴァルネラビリティを持つことが、自己肯定感を持ち自分らしく生きる道につながります。

「足ることを知らない」世界にいることを知る

ヴァルネラビリティを身につけていく上でまず大事なのが、自分の現在位置を知ることです。

私たちが生きてる世界は「足ることを知らない」文化です。

いつも何かが足りないという不安感や欠乏感。 それは、恥、比較、関わる意欲の喪失によってもたらされます。

こういった欠乏感の対極にあるのが充足感。それは「偽りのない心」から生み出されます。

偽りのない中心には、ヴァルネラビリティと自己肯定感があります。

確実なものがなく、もろさをさらし、感情的リスクを負いながらも、私はこれで良いと思えること。

欠乏感の中にいる世界では、ヴァルネラビリティと自己肯定感を欠いた状態といえます。

欠乏感に囲まれた文化で生きているという意識なしには、ヴァルネラビリティと自己肯定感を持ち、勇気ある生き方はできません。

現在位置を知ることで、ヴァルネラビリティを持つ勇気を出せるのです。

恥からの回復力を身につけよう

勇気ある挑戦をするには、傷つく可能性を受け入れなければなりません。

だが恥に怯え、人にどう思われるかを気に病んでいては、生身はさらせません。

ですが恥は大きな力を持っています。

「見えないところでイノベーションをつぶしているのは、恥の意識だ。

数値化できるわけではないが、たしかにそれは存在する。新しいアイデアを引っ込めてしまったり、本当に必要な意見を上司に言わなかったり、クライアントに率直に伝えるのを思いとどまったりするときには、必ず恥の意識が働いている。

間違える不安、みくびられる不安、自分は劣っているという不安が、企業の前進に必要なリスクを負うのを妨げる。」

「自分はよく知らないので」「能力が足りないから」と言ってリスクを回避するようになるからだ。

恥が不安を生み、不安がリスク回避を生み、リスク回避がイノベーションをつぶすのである」

と語られるくらい、恥は大きな力を持っています。

弱みをさらすこと。

恥を克服しないと素の自分をさらし、ヴァルネラビリティと自己肯定感を持った生き方はできません。

そこで重要なのが「恥からの回復力」です。

恥からの回復力とは、恥を感じたときにこう言い返せる力です。

「たしかに今はつらい。失望している。つぶれそうだ。それでも私にとって大切なのは、成功し、評価され、是認されることではない。私にとって大切なのは、思い切ってやってみる、ということだ。事実、私は果敢に挑戦したのだ。恥よ、どこかへ消え失せてしまえ」

恥によって自己肯定感や人との繋がりを封じられてしまうと、自分の弱みを受け入れ、素のままの自分を晒すことができなくなってしまいます。

だからこそ、恥からの回復力が重要なのです。

恥とは、繋がりが絶たれることへの不安です。自分の欠陥のゆえに愛や居場所を得るに値しないと思い込む、激しい痛みの感情または経験ともいえます。

恥に関する3つの基本を紹介します。

それは、

1.誰にでも恥がある。恥はもっとも普遍的で根源的で人間的な感情の一つである。恥を感じないのは、共感する能力や人とつながる能力がかけている人だけである。

2.恥について話すことに不安を感じない人はいない。

3.恥について口を閉ざすほど、恥に支配される。

です。

生きている限り、恥からは逃げられません。だからこそ、自分らしく生きるには恥からの回復力が必要なのです。

恥からの回復には4つの要素があります。

1.恥に気づき、恥のスイッチを理解する

:恥には生理的な面と個人史的な面がある。恥を感じたとき、身体にどんな反応が起きるか?どんなメッセージや期待が恥のスイッチを押すか?

2.冷静に分析する

:恥を感じさせるメッセージや期待が現実的で達成できるものかどうかチェックする。あなた自身がそうなりたいのか、それとも他人があなたにそう期待していると思い込んでいるだけなのか?

3.一歩踏み出す

:自分の体験として受け止め、誰かに話そう。人とつながらないと、共感は味わえない。

4.恥を話す

:あなたがどう感じたかを話し、どうして欲しいかを伝えているか?

この順序で必ず進むわけではないにしても、共感と癒やしによって回復し乗り越えられることが分かります。

他にも乗り越え方のノウハウが3つあります。

1.どこかに隠れてしまいたくても、勇気を出して助けを求めてみる。

2.切な人が窮地に陥ったときに慰め励ますのと同じように、自分に語りかける。

3.この体験を「自分のもの」にする。恥の体験を忘却しようとしたり、こじらせ化膿させたりしてはいけない。またこの体験に私という人間を定義させてはいけない。

これらどれも、主体的なノウハウで尻すぼみしてしまうかもしれません。

ですが、それだけ恥というものは主体的に取り組まなければならないものなのです。

その一方で乗り越えた先には大きな果実があります。

恥を乗り越えはじめた先の未来

この題材を取り上げた理由。

それは何よりも自分が恥によって自己肯定感もぐちゃぐちゃになった時期があったからです。

この本と出会い、現実に打ちのめされてしまっていた自分とゆっくり向き合い、恥に対して少しずつ勇気をもって乗り越えようとしてきました。

気づくと今の自分はこの本で書かれているような、弱さを認める勇気。等身大でも良いんだという偽りのない生き方を一歩ずつ踏み出せるようになってきました。

この景色はとても心地よく、恥を感じて苦しいときが合ったとしてもすぐ回復して笑い飛ばせるようになってきました。

自分を活かす道のためには、自分を受容していくプロセスはとても重要です。

是非、この記事と紹介した「本当の勇気は「弱さ」を認めること」も手に取っていただき、ヴァルネラビリティを身につけていってください。

本当の勇気は「弱さ」を認めること